2015年7月15日、P5プラス1(国連安保理常任理事国5カ国とドイツ)はウィーンで、イランとの間にウラン濃縮の中止に関する最終合意を結んだ。これに関して、ロシアはその積極的な役割を国際世論に誇示する目的もあり、2016年春、伊勢志摩サミットが行われているその裏側で、モスクワ国際安全保障会議を開催。主な議題は戦争への緊張が高まっているシリア問題についてだ。そんな国際情勢を「第二次冷戦」と定義し、世界は一つの歴史的局面を迎えていると山内昌之氏は語る。世界規模の複合危機はいったいどこに向かっているのか。この大問題を各国の思惑に迫りながら読み解いていく。
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唯一の現実的解決策も、中東諸国の関係はますます厄介に
イラン核協議最終合意の意味(1)肯定的評価と否定的評価 -
とはいえ数年後、イラン核開発の露見可能性は大
イラン核協議最終合意の意味(2)中立的評価 -
もはやイデオロギーの対立ではない。世界の新局面を読む
ポストモダン型戦争と第二次冷戦(1)緊張の構造 -
パリやロンドンの同時テロはISにとってシリア戦争の延長
ポストモダン型戦争と第二次冷戦(2)世界規模の複合危機 -
いまやシリア情勢の最大プレーヤーであるロシア
ポストモダン型戦争と第二次冷戦(3)プーチンの意図 -
ロシア主催の「裏G7サミット」の話題はシリア情勢だが…
モスクワ国際安全保障会議(1)伊勢志摩サミットの裏側で -
難民がテロリストネットワークを利用しヨーロッパ入り!?
モスクワ国際安全保障会議(2)ロシアとシリア -
「核テロリズム」の脅威が高まっている――常万全
モスクワ国際安全保障会議(3)存在感を増す中国 -
テロ拡大を放置すれば世界大戦を招きかねない―デフガーン
モスクワ国際安全保障会議(4)イラン・シリアの主張 -
次期アメリカ大統領はブッシュとオバマの中間線が望ましい
次期アメリカ大統領に望む中東政策「5つの提言」 -
トランプ勝利が欧州のポピュリズムをますます助長する!?
トランプ外交と世界への影響(1)深まる中東欧州複合危機 -
トランプとプーチンの外交戦略をユーラシア地政学から考察
トランプ外交と世界への影響(2)ロシア外交と日本の知恵 -
ロシアがトランプ大統領就任を歓迎する理由
トランプ政権とロシアの関係(1)新国際秩序と担任圏構想 -
アメリカとロシアの関係改善の動きは続くのか?
トランプ政権とロシアの関係(2)ハネムーンから対峙へ!? -
北東アジアと中東の危機の共通点、相違点とは?
北東アジアと中東の危機(1)三つの政体と核保有 -
クルド分離・独立の動きは新たな中東紛争始まりの予兆
北東アジアと中東の危機(2)世界に拡大する複合危機 -
トランプ大統領の中東政策とその多大なる影響
トランプ政権の中東政策(1)イラン核合意脱退の影響 -
トランプ大統領が認識する中東とは何か?
トランプ政権の中東政策(2)親イスラエルが招く混乱 -
オバマの「逆張り」をするトランプ政権の真意
トランプ政権の中東政策(3)中東の未来地図の不在 -
中東への理解欠如が複合危機を進化させる
トランプ政権の中東政策(4)プーチン大統領の中東戦略 -
6ヶ国競合状態にある中東の鍵を握るのはイラン
トランプ政権の中東政策(5)中東で拮抗する6ヶ国