時事問題の背景に学ぶ<国際関係>

2015年7月15日、P5プラス1(国連安保理常任理事国5カ国とドイツ)はウィーンで、イランとの間にウラン濃縮の中止に関する最終合意を結んだ。これに関して、ロシアはその積極的な役割を国際世論に誇示する目的もあり、2016年春、伊勢志摩サミットが行われているその裏側で、モスクワ国際安全保障会議を開催。主な議題は戦争への緊張が高まっているシリア問題についてだ。そんな国際情勢を「第二次冷戦」と定義し、世界は一つの歴史的局面を迎えていると山内昌之氏は語る。世界規模の複合危機はいったいどこに向かっているのか。この大問題を各国の思惑に迫りながら読み解いていく。