時事問題の背景に学ぶ<中東情勢>

湾岸諸国の関係が大きく揺れている。2014年3月15日のカタール大使召還事件によって、それまで緊密な友好協力関係にあったGCC(湾岸協力会議)に前例のない政治的亀裂が生じたのだ。要因としては米国の方針転換によるものが大きいが、いずれにしても今後、GCC諸国に新しい戦略的な枠組みをもたらす可能性は高く、それは各国に価値観や文化を含めた戦略的な利益の見直しも迫ることになるだろう。一方、パレスチナ・ガザ地区ではハマスとイスラエルによる第3次ガザ戦争が続いている。しかし、この戦争がイスラエル南部国境の恒久的な安全保障の確立に成功するとは思えないと語る山内昌之氏。「狡猾国家」イエメンの現状も含め、混沌を極める中東情勢を追う。