時事問題の背景に学ぶ<シリア問題>

2015年、ヨーロッパ国境にシリアやイラクなどからの難民が続々と押し寄せている。その数、実に数百万人。その中で、クルド系シリア人、アイラン・クルディ少年の遺体がトルコの海岸で見つかった写真は世界に大きな衝撃を与えた。同年9月にロシアによるシリア空爆が行われたが、アサドとイスラム国という「二つの敵」論を繰り返す米欧に比べるとロシアの立場は単純で、イスラム国と戦うにはアサド政権を受け入れることも辞さないという。まさに中東の火種ともいえるシリアだが、アラブの春から5年、なぜシリアの春は挫折したのか。シリアの内戦に関する外国の関与は、「第三次世界大戦」のリハーサルなのか。混沌のシリア情勢を米欧とロシア・イランなどの動きとともに追いかける。